誰を責めても始まらない

こんなん実際に子供できたあとに読んだら・・・・もっと号泣やろなー。

全俺が泣いたあとはできることを考えたい - iGirl

 うん、号泣レベル。(いや、実際に号泣した訳じゃないけど)

 うちには5歳の息子ともうすぐ2歳になる娘がいるが、母子共に健康ですくすくと育っている事に改めて感謝した。普段は小憎たらしくていい加減育児疲れも感じるけど。

 しかも来年3月に子供が生まれる予定の身としては、身の毛もよだつ思いだ。

 これまでの「産気づいたのに搬送先が決まらなくて」という話は「きちんと妊婦検診を受けていない=かかりつけ医のいない妊婦」の話だったので、「きちんと検診を受けて、出産予約もしてある自分(というか妻)には関係ない」と思っていた。
 が、今回の件はそういう手順を踏んでいたにも関わらず発生したのだ。
 もし臨月を迎えて出産直前の妻に陣痛以外の何かあったら、もしかしたら妻も受け入れ先が見つからないかもしれない。そう考えると「安心安全なお産とはいったいどこにあるのだろう」と思わずにはいられない。

 そして何より泣けたのは、夫のこの言葉。

かかりつけ医側と各病院側で搬送経緯の説明が食い違う点について、男性は「誰も責める気はない。当直医が傷ついて辞めて産科医が減ったら意味がない」。都や病院を訴えるつもりはないという。

asahi.com(朝日新聞社):「病院、都、国など力合わせ改善を」妊婦死亡の夫会見 - 社会

 そう、最善を尽くしてくれたのならそう思うしかないのだ。
 これで自分だけが不幸だと考えて損害賠償を起こすのは簡単だ。昨今の産婦人科はその流れの中にある。しかしそれによって産婦人科医が減ると、第二第三の自分が生まれる事は想像に難くない。
 今自分にできる最善は何なのか。それは産婦人科医を訴える事ではないはずだ。もちろん妻を失った気持ちを向ける先がなくなる訳だから、やるせなくて仕方ないとは思うのだが。

 このご主人は、まっとうな人だなぁと思った。まっとうな「想像力」がある。
 様々な事が問題になる昨今、足りないのはこの「想像力」だと思うのだ。


 ちなみに元記事のid:asami81さんはご自宅で生まれたらしい。ちょっとうらやましい。
 でも「では3人目は自宅出産で」と思うかと言えば否。
 「自宅出産」が衰退した今、安心して「自宅出産」できるだけの技術を持った産婆さん等を手配できるのかどうか、自分たちが安心して出産を迎えられるかどうかが不安でならない。
 良いか悪いかはともかく、今の「安心して出産するための最善の選択」は病院だと思う。何だかちょっと残念な気もするが。